特別編

~特別編~ 第22章(あとがき)──静かに選んだ道の先でNEW

振り返れば、私の医師としての歩みは、決して計画されたものではありませんでした。落ちこぼれとして産婦人科に拾っていただき、その後も、偶然の連続のような日々でした。ただ、その偶然を偶然のままにせず、「何か先につながるものはないか」と考え続けてきたことが、結果として今の自分を形づくってきたのだと思います。 若い頃、私は教授になることを自然な目標だと感じていました。その背景には、志半ばで倒れた師匠の存在が…

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~特別編~ 第21章:おまけの章──The Prime of LifeNEW

さて、小説家になってしまった私の後輩が、産婦人科を舞台にした小説を書いています。以前にも触れましたが、その中には、私をモデルにした「海崎先生」が登場します。ひたすらに突っ走っていた頃の私──今では懐かしくもあり、少し恥ずかしくもあります。しかし、小説の中の海崎先生は、あの頃の私そのままに、生き生きと、そして眩しいほどの熱量を持って存在しています。 私が好きな曲のひとつに、松岡直也さんの The P…

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~特別編~ 第20章(最終章):エピローグ──幸せになるという約束

私の人生は、気がつけばもう後半を過ぎ、静かにエピローグへと向かっています。振り返れば、私は決してひとりでここまで来たわけではありません。むしろ、数え切れないほど多くの方々に支えられ、導かれ、背中を押されてきました。 落ちこぼれとして始まった私のキャリアは、師匠や恩師、先輩、後輩、そして家族──そのすべての存在によって形作られてきたものです。とりわけ、もう言葉を交わすことが叶わない方々。感謝を伝える…

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~特別編~ 第19章:メディカルパークへ──そして後輩からの助言

下関で生殖医学会がありました。私は浦安プロジェクトについて発表し、降壇したとき、他の先生方からの質問に紛れて、医師ではない方がひとり近づいてきました。名刺を差し出し、「お話があります」と。リクルートの方でした。多くのオファーをいただいていた中で、わざわざ現地まで来られた方はいませんでした。その時点では具体的な法人名は明かされませんでしたが、その熱意に打たれ、私はメディカルパークへの移籍を決めました…

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~特別編~ 第18章:その先の未来へ──働き方改革の提案

がむしゃらに働いていた私ですが、それなりに評価してくださる方々は多かったようです。実際、私のもとにはさまざまなオファーが届いていました。大学の教授選、他院の院長職──いわば“売り時”だったのかもしれません。 理事長からのご指示で、教授に昇格させて大学に残す案もあったと聞きました。学部長からその話を直接伺いましたが、私の気持ちは揺らぎませんでした。というのも、大学に残る限り、この恐ろしく多忙な生活は…

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~特別編~ 第17章:市長選と県知事選──政治の冷徹さ

私は政治家ではありませんので、選挙についての詳細はここでは触れません。ただ、結果として、県知事選に出馬した松崎元市長は敗れ、市長選では松崎氏の対立候補が当選しました。松崎氏が擁立した候補は、卵子凍結を応援してくださった元市議会議員であり、申し訳ない気持ちもありましたが、私にはどうすることもできませんでした。選挙において、新たな市長が誕生するということは、これまでとは異なる政治姿勢を示すことが多いも…

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~特別編~第16章:日常と非日常──プロジェクト継続の葛藤

そんな出来事があったにもかかわらず、前述のように理事長から当直を外す指示が出ていたとはいえ、人手が足りていない大学病院では、やはり当直業務をこなさなければなりませんでした。私も例外ではありません。特に周産期センターである順天堂浦安病院では、毎日のように産科救急への対応が必要でした。私は、心房細動のあとも、それまでと変わらず日常業務を続けなければなりませんでした。ただ、循環器内科の先生方には非常に手…

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~特別編~第15章:不整脈──死を意識した瞬間

心臓は人体の中でも重要な臓器のひとつで、一生で約20億回拍動すると言われています。その拍動が止まるということは、すなわち“死”を意味します。血液を循環させるために休むことなく動き続ける心臓ですが、身体の状態に応じて心拍出量を調整するシステムが働いています。これは主にホルモンによって制御されますが、ストレスなどでホルモンが変動すると、心臓には大きな負担がかかります。 当時の私は、自分ではストレスを感…

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~特別編~第14章:台風の目──技術開発と嫉妬の渦

その後、私はさらに注目を集めることになり、マスコミの取材や講演会への招待、学会発表など、再び忙しい日々が始まりました。卵子凍結のプロジェクトだけでなく、腹腔鏡下手術の機器開発も並行して進めていたため、多くの企業からアプローチを受けるようになりました。その中から、いくつかをご紹介したいと思います。 ■ in-bag morcellation腹腔鏡では、検体を細い創から回収するために組織を砕く必要があ…

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~特別編~第13章:大波乱──学会との対立と“時の人”へ

市議会の予算委員会は2月に開かれ、それまでに寄付講座の詳細が決定されました。基本的には市長の鶴の一声ではありましたが、市議会も無事に通過し、寄付講座の設立が正式に決定しました。しかし、このプロジェクトはあまりにも特異であったため、プレスリリースに反応したマスコミからの取材依頼が殺到しました。そこで大学と市は、共同で記者会見を開くことになりました。 一方で、学会側にも動きがありました。2013年、米…

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