院長

取材の「対価」について、ふと立ち止まって考えてみたことNEW

大学時代から現在に至るまで、新聞やテレビなどのマスメディアから取材依頼をいただく機会が時折あります。それはクリニックの広報活動の一環としての「案件」ではなく、記者の方が専門的な記事を執筆するために、取材対象として協力を求めてくださる、いわゆる本来の意味での「取材」です。 これまで私は、取材が無償であることに特段の疑問を持たず、自然に受け入れてきました。テレビ出演では出演料をいただくこともありますが…

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若者よ、「票」で未来を奪還しよう──私たちはいつまで傍観者でいるのでしょうか

気がつけば、この国は「高齢者のための国」になってしまいました。 そして私たち若い世代──いや、かつて若者であった中高年層も含めて、その構造を黙認する「観客」として生きているのかもしれません。選挙のたびに繰り返されるのは、高齢者層への過剰な配慮と、若年層の沈黙という無言の帰結です。なぜ、こうした状況になるのでしょうか。答えは明確です。投票に行くか行かないか──たったそれだけで、政治の方向は変わります…

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ホワイト社会について考える

先日、YouTubeを何気なく観ていた際、岡田斗司夫さんが提唱する「ホワイト社会」という概念に出会いました。非常に示唆に富んだ内容で、私なりに理解したことをここで共有したいと思います。 「ホワイト社会」とは、社会全体がより清潔で、健康的で、道徳的であることを強く求める風潮を指すそうです。言わば、“ブラック”の対義語。最近の芸能界やテレビ局の不祥事に対する厳しい目線も、まさにこのホワイト社会化の一端…

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エフォート!エフォート!

「エフォート」とは「努力」や「尽力」を意味しますが、今回は“ある物事に対して私たちがどれだけ労力やエネルギーを注ぐか”という視点からお話ししたいと思います。 大学時代、研究プロジェクトに関わった際、研究計画書には「誰が何パーセントの労力を割くか」という欄がありました。各メンバーの「エフォート」に応じて、論文の著者順や評価指標(インパクトファクター)の配分が変わってくるのです。この経験から私は、「エ…

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動画撮影の舞台裏:経験から学んだこと

長くこの仕事をしていると、ありがたいことに時折お声がけをいただくことがあります。先日、とある製薬会社から、医療関係者向け動画の出演依頼をいただきました。その内容は、以前このブログでも触れた「子宮内膜症と不妊治療」について。担当者の方が私のブログを読み、その内容を動画で説明してほしいとのことで、ご依頼をお受けしました。 実際の撮影に向けて、台本を見ながら話すことの難しさは過去の経験から承知していまし…

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医療安全

少し前の話ですが、とある医療訴訟が結審しました。被害者がSNSに漫画を投稿していたことで話題になり、ご存じの方も多いかもしれません。そのため、具体的な内容についてはここでは触れません。 医療行為には不確実な要素が多く、手術などの治療において合併症を完全に防ぐことは不可能です。もちろん、「合併症」と「医療事故」は異なるものですが、隣り合わせの課題であることは確かです。そのため、医療者は診療の際、常に…

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お米の価格と働き方改革──支え合いの精神と経済構造のゆくえ

最近、お米の価格が上昇しています。気候変動や生産コストの増加、流通の変化など、さまざまな要因が絡み合い、日本の経済全体に影響を及ぼしています。その背景には働き方改革や公定価格の問題があり、さらに、私たち日本人の価値観の変化も関係しているのではないかと感じます。 経済構造の変化と働き方改革の影響日本では、労働環境の改善を目的とした働き方改革が進められてきました。労働時間の短縮や業務の効率化が求められ…

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サクセスフルエイジング~不妊カウンセリング学会を終えて感じたこと

前回のブログでは、不妊カウンセリング学会の大会長を務めた経験についてお話ししました。その締めくくりとして、「多視点からのプレコンセプションケア」というテーマのもと、6名の演者の方々をお招きし、シンポジウムを開催しました。そこで私の心に深く刻まれたキーワードが 「サクセスフルエイジング」 でした。今回は、その言葉が持つ意味について、さらに掘り下げてお話ししたいと思います。 人生を振り返ったときに「ま…

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不妊カウンセリング学会学術集会を終えて

5月18日(日)、東京・一ツ橋ホールにて「不妊カウンセリング学会学術集会」が開催されました。今年は学会長を務めることとなり、「未来を見据えるプレコンセプションケア」をテーマに掲げ、プレコンセプションケアに関連した内容を中心に議論を深めました。現地には669名の方々にご参加いただき、さらにオンデマンド配信も予定されています。また、多くのご協賛をいただき、ランチョンセミナーまで開催することができました…

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開院6周年と誕生月

メディカルパークみなとみらいは、5月15日で開院6周年を迎え、7年目に突入いたします。振り返れば、ここまで歩んでこられたのは、北野副院長をはじめ、非常勤の先生方、看護師、胚培養士、事務スタッフの皆さまの尽力のおかげです。そして何より、当院を支えてくださった患者の皆さまの存在があったからこそ、今日を迎えられました。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。 この6年間は決して順風満帆だったわけでは…

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