院長

プレコンセプションケアの炎上と男女差別NEW

少し前、ニュースにもなっていたのですが、SNSでとある地方のプレコンセプションケアについての冊子が“炎上”しておりました。年齢によって妊娠・出産が難しくなることについて、イラストなどを用いてやや脅しに近いようなニュアンスで記載していたためです。35歳の卵子の見た目が高齢者のようなイラストだったり、そこにアプローチする精子が“熟女キラー”とされていたりと、かなり問題のある内容だったと私も感じました。…

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子宮内膜症と不妊症①(治療方針について)

子宮内膜症は20代から30代の女性に好発する月経困難や下腹部痛、性交痛などを呈するご病気で、妊娠を考える年代に合致するため、不妊症の原因にもなる、今後妊娠を目指す方にとっても厄介なものです。基本的な病態として、発症する部位によって「腹膜病変」「卵巣子宮内膜症」「深部子宮内膜症」「他臓器子宮内膜症」の4つに分けられます。卵巣子宮内膜症は、卵巣嚢腫として超音波などで診断できますが、腹膜病変については、…

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プレコンセプションケアについて

”プレコンセプションケア“、最近この言葉をよく耳にするようになりました。文字通り、前を表す”プレ“が妊娠を表す”コンセプション“にかかっており、将来の妊娠を考えて健康をケアする、という意味になります。妊娠・出産はその多くが女性の身体にご負担をかけることでもありますので、子ども家庭庁のHPでは、「女性やカップルを対象として、将来の妊娠のための健康教育を促す取組」とされております。しかしながら、パート…

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直美と闇バイト

このように記載すると、“直美さん”という方のお話のように思われてしまうかもしれませんが、直美さんという女性のお話ではありません。我々医師は研鑽を積んで、私であれば産婦人科の専攻医を経て、産婦人科専門医、その先のサブスペシャリティーである、例えば、不妊治療専門医を目指すのが一般的でした。それに対し、初期研修医終了後、そのまま美容外科に入局することを直接美容に行く、という意味で“直美”と呼ぶようです。…

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男性不妊と保険適用

不妊治療の保険適用は、患者さんにとっては費用負担の軽減や、やはり国が認めてくれた治療という意味合いにおいても、自費診療であった頃に比べればそのハードルがかなり低くなったのではないかと思います。ただ、我々の臨床現場には多くの混乱をもたらすことにもなりました。そして、それは厚生労働省のご担当者の方々にとっては、短期間で保険診療の仕組みを作るという過去にない大事件であったとも思いますので、そのご苦労には…

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昨年のご報告と新年の抱負

2025年になりました。当院での昨年の採卵件数は1,039件、胚移植980件、人工授精604件、のべ外来患者数29,151名、初診患者数1,471名でした。たくさんの方々にお世話になりました。誠にありがとうございました。今年もさらに精進したいと思います。 さて、新年最初のブログですので、今年の予定と申しますか、抱負についてお話いたします。 ただ、何より自身の健康第一です。やや不謹慎かもしれませんが…

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本年もありがとうございました。

今年ももう少しで終わりそうです。今年も無事にここまでたどり着けたことを関係した患者さん、そして支えてくれたスタッフに感謝いたします。早いもので当院も6年目に入り、今年は名称変更もありました。 今回は今年を振り返って、来年につなげるお話としたいと思います。イベントはたくさんあったのですが、かいつまんでご紹介させていただきます。 2月にはNHKの“あさイチ”に生出演させていただきました。卵子凍結につい…

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“熱い”方々

先日のことですが、メディカルパークグループの忘年会がありました。一応私は院長ですので、喪中ではあったのですが、参加させていただいた次第です。他の医療法人での忘年会では、患者さんをご紹介くださる他院の先生方や、政治的なつながりのある方々をお呼びすることが多いのだそうですが、桐杏会(メディカルパークグループ)は基本的に本院、分院のスタッフがほとんどで、来賓の方は少なかったです。田中理事長の方針だと思う…

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後輩の小説

大学時代、一緒に仕事をしていた医局の後輩が、婦人科クリニックを営みながら、なんと藤ノ木優というペンネームで小説家になってしまいました。私にとっては可愛い後輩のひとりですが、すでに何冊も出版している、大先生かもしれません。 その作品の中で、「-196℃のゆりかご」(https://www.shogakukan.co.jp/books/09386718)という小説は、私含め、当院スタッフが医療監修をさ…

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父の話

先日、私の父が他界しました。91歳でしたので、大往生ではあります。老衰ですが、歩けなくなった後も頭ははっきりしておりました。少し前に帰省した際、話ができたのは良き最後の思い出となりました。神式の葬儀では仏式の49日にあたるのが50日祭で、先日納骨の50日祭を終わらせましたので、忌中は過ぎたことになります。 そこで今回は、父のお話をさせていただこうと思います。父も産婦人科医であり、医院を次の先生に引…

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