【学会発表報告】第67回日本卵子学会学術集会
2026年6月6日・7日に開催されました第67回日本卵子学会学術集会で、当院の胚培養士3名がポスター発表を行ってくれました。
今回は発表者から内容についてのブログになります。

ポスター発表:「卵子凍結実施施設別にみた卵子融解の成績」
今回の検討では、当院におけるこれまでの卵子凍結・卵子融解成績を集計するとともに、他施設で凍結された卵子を当院で融解した症例も含めて解析を行いました。その結果、卵子凍結を実施した施設によって融解後の成績に差がみられることが分かりました。
卵子凍結を検討する際には、凍結時の卵巣調節刺激法や卵子凍結・融解の技術力も重要な施設選択のポイントであると考えられます。
当院ではこれまでに48症例(88周期)の卵子融解を施行しております。この経験を活かしながら、より良い成績を目指して日々技術の向上に取り組んでいきたいと思います。

ポスター発表:「胚移植における至適位置に関する検討」
当院では、2023年から2025年に移植を行った患者様のデータをもとに、子宮内膜厚・胚移植位置が妊娠率に与える影響を調査しました。
子宮内膜厚は妊娠率に寄与する有力な指標であることが再確認されました。胚移植位置は至適位置の存在が確認されました。
子宮内膜厚と胚移植位置の交互作用についても解析を行いましたが、両者における交互作用は認められませんでした。
これらの結果から、胚移植の至適位置の有効性は子宮内膜厚に依存せず一貫していることが示唆されました。
日本卵子学会に参加し、多くの研究者や培養士の方々と交流できたことは大きな刺激となりました。また、様々な研究発表に触れることで、最新の知見を数多く得ることができました。
今回の学会で得た学びを日々の業務に活かし、患者様へ最善の培養環境をご提供できるよう、尽力してまいります。

ポスター発表:「患者年齢別にみた低乳酸培養液が良好胚盤胞形成に及ぼす影響」
当院で媒精後の培養に低乳酸培養液を導入するにあたり、低乳酸培養液と従来培養液の培養成績を比較しました。
全年齢を対象とした培養成績(分割期良好胚率、胚盤胞発生率、良好胚盤胞率)の比較では低乳酸培養液を使用した群で、良好胚盤胞率が有意に高値を示しました。さらに年齢別に検討したところ、34歳以下の症例において低乳酸培養液を使用すると全ての評価項目で良好な傾向がみられ、特に良好胚盤胞率が有意な改善を認めました。
これらの結果から、低乳酸培養液の使用は特に若年症例において有効な選択肢になり得ることを示しました。
日本卵子学会に参加し、生殖医療に関する最新の知見や他施設の取り組みについての発表を通して、多くの刺激を受けました。また、実際の手技や培養操作を見学できるセミナーに参加し、臨床現場での工夫や技術的なポイントなど日々の業務に活かせる内容についても学ぶことができました。
今回得た知識や技術を施設内でも共有し、今後もより良い技術の提供につなげてまいります。

