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特別編 院長

~特別編~ 第21章:おまけの章──The Prime of Life

さて、小説家になってしまった私の後輩が、産婦人科を舞台にした小説を書いています。
以前にも触れましたが、その中には、私をモデルにした「海崎先生」が登場します。
ひたすらに突っ走っていた頃の私──
今では懐かしくもあり、少し恥ずかしくもあります。
しかし、小説の中の海崎先生は、あの頃の私そのままに、
生き生きと、そして眩しいほどの熱量を持って存在しています。

私が好きな曲のひとつに、
松岡直也さんの The Prime of Life があります。
人生の最盛期──
しかし、その“最盛期”は驚くほど短い。
私の周りの先生方が早世されたように、人生そのものが短く、儚く、そして有限です。
だからこそ、人は輝く瞬間があるのだと思います。
永遠ではないからこそ、その一瞬が尊く、強く、心に刻まれる。
生命は、DNAを次世代に引き継ぎ、そして死んでいきます。それは生物としての宿命です。
しかし、人間にはもうひとつの継承の形があります。
知恵や技術、価値観や哲学──
それらを“ミーム”として次世代に渡すことができる。
私は、師匠から受け継いだ技術や姿勢、哲学を、後輩や弟子たちに伝えてきたつもりです。
そして彼らが今、それぞれの場所で頑張っている。それだけで、私は十分に幸せなのだと思います。
さらに、こうして文章として残すことで、私自身のフィロソフィーや生き方も、誰かの心に届くかもしれません。

この物語──私の半生であり、そして“反省”でもある記録が、どこかの誰かの人生の糧になるのなら、それは私にとって、何よりの喜びです。
松岡直也さんの The Prime of Life。
ぜひ聴いてみてください。
彼らもまた、自らの絶頂期を音に刻み、
作品として未来へと残しました。

https://youtu.be/eTeV2FHlp00?si=dG5FWpzchNj4-cSw

音楽も、技術も、思想も、物語も──
人が生きた証は、形を変えて永遠に引き継がれていく。
私の人生の“Prime”は、もう過ぎたのかもしれません。
しかし、過ぎたからこそ見える景色があります。
そして、過ぎたからこそ、静かに輝くものがあります。
この章は“おまけ”かもしれません。
けれど、私にとっては、人生の余白にそっと置かれた、大切な一篇なのです。