院長
計画的卵子凍結の意義
先日、私が大学時代に行ったプロジェクトのその後についての論文が学術誌に掲載さ入れました。今回は、その内容についてご説明したいと思います。(Ohno M, Kikuchi I, et. al., The importance of social oocyte cryopreservation in supporting local municipalities: A prospective stud…
ブログ復活に際しての初めの投稿
不妊専門クリニックのブログですので、再開第1回では、妊娠を目指す、という意味で、「性欲」について考えてみたいと思います。 人間が生きていくうえで必要ものとして、食欲や睡眠欲、排泄欲、呼吸、性欲の生理的欲求があると言われております。しかしながら、この中で性欲については、生命維持には不可欠ではなく、種の保存のために必要なものとなります。すなわち、「個」としての存続のみを考えるのであれば、必ずしも子供は…
日本が誇る、国民皆保険制度 その光と影~SNSで感じたこと
これまでも何度か保険診療については記載してきましたが、やはり国民皆保険制度は非常によくできたシステムであることは間違いなく、他国に比べても、かなり優れた制度であると思います。 私はこれまで、他国の医師とお話しする機会があり、その際にいつも医療制度について議論しておりました。フリーアクセスで一定額で高度な医療が受けられる我が国の制度は、患者さんにとってはかなり恵まれた制度のようです。そして、高額医療…
明けましておめでとうございます
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 さて、すでに1月7日、今年も1週間たってしまいました。すでにご存じとは思いますが、明日から緊急事態宣言が発令されることとなりました。2回目の緊急事態宣言ですが、昨年の緊急事態宣言の際は不妊治療の延期が推奨されたこともありました。その後、学会はその声明を撤回、妊娠の時期を決めることは個人の自由であり、感染状況はその時期、地域で異なるた…
本年もお世話になりました。
気が付けば大晦日、大変だった2020年も今日で終わりです。残念ながら、コロナ禍はまだまだ収まりそうにはありませんが、ワクチンの開発などに期待、来年は何かしらの良いニュースに期待したいと思います。医学の発展は、病原体との戦いでもあったわけですから、時間はかかるとしても、必ずや、この感染症に勝てる日が来ることを信じております。 今年は不妊領域においても、大きなニュースがありました。新政権となってすぐ、…
不妊治療の保険適用④ 保険診療に際しての留意点
これまで述べてきましたように、皆保険にも問題は多くあるのですが、不妊治療が自費となっていることで不利益を被っている患者さんがいることも事実だと思うのです。それ故、不妊治療の保険適用について、私としては歓迎すべきことと考えるのですが、現在の皆保険の問題点をしっかりと把握したうえで、不妊治療の保険適用について議論すべきです。そして、皆保険自体の問題点も改善していくよいきっかけとなればよいと思うのです。…