AI胚評価システム「iDAスコア」を導入します!
2026年3月より当院で採卵・胚凍結を行った患者様(保険診療の方は先進医療のタイムラプスをご希望された患者様)にお渡ししている「体外受精 胚凍結記録」にiDAスコアを記載することになりました。

今回は新導入されたiDAスコアについてのブログになります。
iDAスコアについて
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iDAスコアってなに?
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iDAスコアとは、人工知能(AI)を使って胚の発育状態を解析し、「この胚が妊娠につながる可能性がどのくらいあるか」を数値で示す胚評価システムです。
当院で使用している「EmbryoScope」というタイムラプス培養器で撮影された胚の画像をAIが解析します。胚に直接触れることはなく、安全で非侵襲的な方法です。評価は完全自動で行われるため、胚培養士の経験や主観によるばらつきを減らし、より客観的な判断材料として活用できます。
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iDAスコアはどうやって見ればいいの?
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iDAスコアの数値は 1.0〜9.9の範囲で表示され、統計的に見て数値が高いほど着床につながる可能性が高い傾向を示します。
ただし、これは「合格/不合格」のように明確に線引きするものではなく、あくまで複数胚がある中での優先順位付けの参考指標です。
実際には、同じスコア帯でも妊娠に至るケースもあれば、至らないケースもあり、スコアだけで結果が決まるわけではありません。
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今までのスコアと何が違うの?
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当院ではこれまでKIDScore という胚評価システムを使用してきました。KIDScoreも、胚の分裂スピードや発育のタイミングといった情報をもとに、分割期胚から胚盤胞期まで評価できるシステムです。こちらは胚培養士が記録した発育パターンを統計モデルで解析してスコア化します。
一方、iDAスコアは胚の画像そのものをAIが直接解析する「ディープラーニング型」の評価法で、胚培養士の主観に依存しない点が大きな違いです。
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iDAスコアのメリットは?
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iDAScoreは115,000個以上の胚を深層学習させているため、その評価は熟練した胚培養士と同等以上の評価結果を得ることができることが報告されています。
また、胚培養士(人間)が観察するわけではないため、日によって担当者が変わったり経験レベルが違ったりといった人為的なバイアスが入り込むことはありません。
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iDAスコアにデメリットはある?
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胚の成長画像から、AIが直接妊娠に影響するであろう特徴を選んでいるため、胚のどこをみて評価したのか説明することが非常に難しいです。
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iDAスコアが低いと胚移植しても妊娠は難しい?
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臨床的には、iDAScoreが高い胚ほど、着床率や胎児心拍確認率が高い傾向が報告されています。
ですが、これはあくまで確率論的な指標であり、個々の胚の運命を保証するものではありません。
そのため当院では、iDAScoreを単独で使うのではなく、従来の形態評価や患者さま各々の背景と組み合わせて、総合的に判断しています。
まとめ
AI技術の進歩によって、胚評価はより客観的で再現性の高いものになりつつあります。当院でも、培養士の目とAIの解析を組み合わせることで、より納得感のある胚選択につなげていきたいと考えています。

