培養室

【お知らせ】凍結液アップグレード

 2月よりメディカルパーク横浜院での凍結液がアップグレードされます。  アップグレードされる凍結液については、世界最高クラスの改良組成を行っておりその安全性・効果は凍結史上最良の実績を得ているそうです。  本来、卵を凍結融解すれば少なからずダメージが加わる事が自然な考えかと思います。即ち高い生存率であることは卵へのストレスも僅かで済むという事を示唆していると考えられます。  開発者である桑山博士は…

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【お知らせ】学会参加報告

 先日、お時間をいただき学会に参加して参りました。日本臨床エンブリオロジスト学会と呼ばれる学会で、胚培養士(エンブリオロジスト)によるエンブリオロジストのため学会となっています。専門職である我々の技術をブラッシュアップすべく、御高名な先生方によって運営されており非常に多くの価値ある情報を持ち帰る事ができました。    1/13の体外受精説明会では参加者の方に所感をお伝えしましたが、改めてこちらで報…

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【基礎内容】培養液について②

昨年12/21に載せました「培養液について①」の続きです。 前回は実際に使用している培養液についてご紹介しました。 今回は培養液とセットで使用するミネラルオイルと移植用の培養液をご紹介します。 少量の培養液(ドロップ)は、外気に触れることで劣化を起こしてしまいます。そこで登場するのがミネラルオイルです。 利点として培養液のpH変動を防止し、また培養液からの水分の蒸発を最小限に抑えること、配偶子や胚…

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【お知らせ】2019データ

当院も5月に開院して約半年が過ぎようとしております。節目を迎えるにあたり、これまでに得られた情報を集計してみました。 今回は2019年集計データ(5/15~12/27まで)をお示しします。当院へ通院されている方、又は通院を検討される方において、何か参考になるデータとなれば幸いです。          今年も残すところあと僅かとなりました。闇営業とか、ラグビーとか、タピるとか、色々な話題で賑わいまし…

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【基礎内容】培養液について①

身体の中で起こる受精の場は“卵管(卵巣から子宮までの卵の通り道)”です。したがって、培養液とは、卵管から子宮までに分泌される成分を模倣し、受精の場である卵管に存在している栄養素が含まれている液になります。 <培養液が使われるケース(用途に応じて使う培養液の種類が違います)> ヒト血清アルブミン等の生物由来成分や抗生物質を一切含まない、採卵時の卵子の洗浄用メディウムです。Heparinが含まれている…

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【設備技術紹介】クリーンベンチのお話

 今回はクリーンベンチについてお話します。下の写真は当院のクリーンベンチになります。  クリーンベンチとは、清潔な環境で作業を行うことの出来る作業台のことを言います。外部からの汚染を防ぎ、無菌的な環境を作り上げるのが目的ですが、ではどのようにしてその環境を作っているのでしょうか。    それは空気の循環です。 まず下写真の開口部から外気が導入されます。導入された外気は、天井でHEPAフィルターによ…

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【お知らせ】不妊検査キャンペーン

当院では11月より限定的に不妊検査のキャンペーンを行います。  そこでは「女性:卵巣機能検査」「男性:精液所見検査」の2つを対象にしておりますが、今回は「卵巣機能検査」についてお話したいと思います。 *「精液所見検査」についてはブログ内「精液検査について」を参照ください 検査概要 卵巣機能検査では大きく3つの項目を検査させていただきます。 ①LH、FSH、E2について 卵巣機能の生化学的検査になり…

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【基礎内容】ART概論について

ARTとは ART(Assisted Reproductive Technology)とは配偶子である精子・卵子を取り扱い、生殖を補助する不妊治療のことです。「高度生殖補助医療」ともいいます。 適応 その他、患者様の年齢、不妊期間、卵巣の予備能を考慮いたしまして適応があれば対象となります。 受精方法の選択 受精方法は、取り出した卵子と精子を合わせて体外で受精させる「体外受精(IVF)」 顕微鏡下で…

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【設備技術紹介】卵子活性化のお話

 今回はカルシウムイオノフォア(卵子活性化)についてお話します。  まずカルシウムと言えば、骨や歯のイメージが高いかと思います。実際にカルシウムの約99%は骨や歯、残りの約1%は神経伝達や筋肉で使われており、その量は体重の1~2%と生体内で最も多いミネラルなのです。このカルシウムが受精時の卵子を活性化する因子としても必要不可欠な因子となります。  ではカルシウムイオノフォアとは何なのか。 それは細…

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【基礎内容】精子凍結・融解について

今回は、『精子凍結・融解』について説明します。 精子凍結とは TESE(精巣内精子採取術)や射精して採れた生きた精子を保存液で処理し、-196℃の超低温(液体窒素)で保存する技術です。 安全面について 凍結融解精子を用いて生まれたお子様は、新鮮精子を用いて生まれたお子様と比べて、発育状態に差が出たり、先天奇形などの異常の頻度が高くなるという報告はありません。 1952年にイギリスのC.Polgeら…

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