培養室
【設備技術紹介】ピエゾICSIのお話
今回は当院で行われている従来のICSIとピエゾICSIについてお話します。従来法についてはconventional-ICSIと呼ばれますが、以下“従来”と表記します。 受精方法 以前少しお話しましたが、受精方法には以下の2つの方法があります。 元気な精子がたくさんいる場合に行う方法。 元気な精子の量が少ない場合に行う方法。 元気な精子が少ない場合、IVFを施行しても精子が卵子の中に入れず受精に…
【お知らせ】培養液アップグレード
メディカルパーク横浜では培養液のアップグレードを行います。世界最先端の培養液の1つであるGM-CSF含有培養液を採用します。GM-CSFについては過去のブログで他スタッフもご説明させていただいておりますのでご参照ください。 過去ブログはこちら この培養液におけるメリット、デメリットは次の通りと言われております。 メリット デメリット 免疫細胞を増やし、着床・妊娠維持を促す細胞数を増やし、…
【お知らせ】卵・精子の凍結保存管理について
2020年の5月で開院1年目に入ります。今後、凍結保存検体の保管期限(1年)満期に該当する方がいらっしゃるかと思います。 お渡ししている凍結記録用紙にあります通り、当院からは満期のご案内を行っておりませんのでご注意下さい。 詳細は《こちら》をご確認のうえ、お手続きの程宜しくお願い致します。 ...ちょっとお話が変わります。 体外受精を受けられた方で、診察時にUSBを受け取られる…
【お知らせ】治療成績について
メディカルパーク横浜はもう直ぐ開院1年になります。当院の治療成績を知りたいというお問合せも多くいただきましたので、年末のデータを更新し、ここまでの治療成績をまとめましたので、こちらでご紹介致します。 胚盤胞到達率については報告される全国平均値は30~40%となり、妊娠率については34~39%となっています。データ上、体外受精を受けられる患者年齢が多い37~39歳辺りまでは移植あたりの臨床…
【設備技術紹介】GM-CSF含有シングルステップ培養液
今回は着床促進、流産予防にアプローチするGM-CSF含有シングルステップ培養液についてお話します。 流産や反復着床障害の原因としては、ほとんどが受精卵の染色体異常、または子宮内膜の問題、そして受精卵に対する母体からの拒絶反応があります。 ここでお伝えするGM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)は受精卵を受け入れ、妊娠継続を手助けすると考えられています。もう少し難しい言葉で…
【お知らせ】新年度を迎えて
新年度を迎え、入学式・入社式等の門出を祝う季節になりましたが、 新型コロナウィルスの影響により多くの方が自粛要請のもと、窮屈な生活を余儀なくされる状況になっています。 コロナについての感染力や潜在的リスクについては不明となりますが、医療行為における感染管理については国立感染症研究所より次のような報告がなされています。 なお、COVID-19 の疑いに関わらず、原則として以下は常に行うべ…
【基礎内容】IVFについて
体外受精(IVF)とは、女性の卵巣内から取り出した卵子を体外で受精させる治療のことです。1978年にイギリスではじめて挙児が報告されました。 日本産科婦人科学会の発表によると、IVFによって国内で2017年に5万6617人の子どもが生まれたと発表されました。これは、厚生労働省の統計による17年の総出生数は94万1000人を参考とすると、16人に1人が体外受精で生まれた計算になります。 IVFを…
【お知らせ】子宮内フローラ検査について
膣や子宮には菌が共生している!?という考えが一般化しつつあります。一昔前には子宮内は無菌であると言われておりましたが、2015年に米国の研究者によってこの考えが異なっているという事が分かりました。 菌というと、何となくばい菌のイメージが出てくるかもしれません。しかし宿主となる私たち人間と共生する常在菌と呼ばれるものは、感染に対する防御機構の一翼を担っています。 その代表的な菌がラクトバチルス…
【設備技術紹介】インキュベーターのお話
今回は当院で使用しているインキュベーターについてお話します。 インキュベーターとは、温度を一定に保つ機能を有する装置のことをいい、卵子、精子、受精卵などの配偶子や接合子を培養する際に使用しています。 本来卵子や受精卵は生体内で発育するため、体外の異なる環境下では発育に限界があります。温度や酸素、二酸化炭素などのガス環境は体内と体外で大きく異なり、体外のガス環境では胚の成長に影響を及ぼすこと…