院長
サクセスフルエイジング~不妊カウンセリング学会を終えて感じたこと
前回のブログでは、不妊カウンセリング学会の大会長を務めた経験についてお話ししました。その締めくくりとして、「多視点からのプレコンセプションケア」というテーマのもと、6名の演者の方々をお招きし、シンポジウムを開催しました。そこで私の心に深く刻まれたキーワードが 「サクセスフルエイジング」 でした。今回は、その言葉が持つ意味について、さらに掘り下げてお話ししたいと思います。 人生を振り返ったときに「ま…
不妊カウンセリング学会学術集会を終えて
5月18日(日)、東京・一ツ橋ホールにて「不妊カウンセリング学会学術集会」が開催されました。今年は学会長を務めることとなり、「未来を見据えるプレコンセプションケア」をテーマに掲げ、プレコンセプションケアに関連した内容を中心に議論を深めました。現地には669名の方々にご参加いただき、さらにオンデマンド配信も予定されています。また、多くのご協賛をいただき、ランチョンセミナーまで開催することができました…
生殖医学会に参加して
通常、生殖医学会(JSRM)は11月に開催されますが、今年は国際学会のIFFSとの合同開催のため、4月の開催となりました。前回から約半年、次回まで1年半が空くことになりますが、国際学会ならではの熱気に刺激を受ける貴重な機会となりました。 国内のみの学会と比較すると、やはり国際学会との合同開催では国内外から多くの参加者が集まり、例えば企業展示ブースの規模も圧倒的に異なります。今年はJSRMが70周年…
養成講座に参加して感じたこと
「養成講座」という言葉には少々堅苦しい印象を持つ方もいるかもしれませんが、今回は先日、不妊カウンセリング学会主催の不妊カウンセラー養成講座に出席した際の経験についてお話しします。この講座は年に2回開催されており、私は定期的に講師を務めるだけでなく、座長として司会も担当しています。 私が担当する内容は、ほぼ毎回同じく「不妊治療の基礎知識」に関する講義です。保険適用が開始されてから3年以上が経過しまし…
進歩の過程と自身の立ち位置
生物は進化していくものであり、そう運命づけられているものだと思います。生殖はその進化の過程にとって非常に重要であり、代々遺伝子を受け継ぎながら進化していくものでしょう。一方、医学などの学問においても、知的財産を代々受け継ぎながら進化していくものだと考えられます。生物における“遺伝子”が、“知的財産”に当たり、代々引き継いでさらにブラッシュアップしていく、まさに技術の伝承は様々な分野に通じる“遺伝子…
人を育てるということ
「親が無くとも子は育つ」とは言いますが、教育においては良き指導者の存在がいかに重要かを実感しています。私のみならず、誰もが誰かに育ててもらった経験があると思います。幸いにも私も良き先輩や後輩に恵まれ、教育に携わる機会をいただいてきました。今でも大学で年に一度ですが、教鞭を執っています。 人を育てるには、指導者自身の余裕が欠かせません。指導する立場になってみて、私自身を導いてくださった先生方の実力の…