院長
日本が誇る、国民皆保険制度 その光と影~SNSで感じたこと
これまでも何度か保険診療については記載してきましたが、やはり国民皆保険制度は非常によくできたシステムであることは間違いなく、他国に比べても、かなり優れた制度であると思います。 私はこれまで、他国の医師とお話しする機会があり、その際にいつも医療制度について議論しておりました。フリーアクセスで一定額で高度な医療が受けられる我が国の制度は、患者さんにとってはかなり恵まれた制度のようです。そして、高額医療…
明けましておめでとうございます
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 さて、すでに1月7日、今年も1週間たってしまいました。すでにご存じとは思いますが、明日から緊急事態宣言が発令されることとなりました。2回目の緊急事態宣言ですが、昨年の緊急事態宣言の際は不妊治療の延期が推奨されたこともありました。その後、学会はその声明を撤回、妊娠の時期を決めることは個人の自由であり、感染状況はその時期、地域で異なるた…
本年もお世話になりました。
気が付けば大晦日、大変だった2020年も今日で終わりです。残念ながら、コロナ禍はまだまだ収まりそうにはありませんが、ワクチンの開発などに期待、来年は何かしらの良いニュースに期待したいと思います。医学の発展は、病原体との戦いでもあったわけですから、時間はかかるとしても、必ずや、この感染症に勝てる日が来ることを信じております。 今年は不妊領域においても、大きなニュースがありました。新政権となってすぐ、…
不妊治療の保険適応④ 保険診療に際しての留意点
これまで述べてきましたように、皆保険にも問題は多くあるのですが、不妊治療が自費となっていることで不利益を被っている患者さんがいることも事実だと思うのです。それ故、不妊治療の保険適応について、私としては歓迎すべきことと考えるのですが、現在の皆保険の問題点をしっかりと把握したうえで、不妊治療の保険適応について議論すべきです。そして、皆保険自体の問題点も改善していくよいきっかけとなればよいと思うのです。…
不妊治療の保険適応③ 適応外使用と病院持ち出し
わが国が世界に誇る国民皆保険の問題について、前々回、前回と述べてまいりました。混合診療が禁止されている以上、一連の治療の中で保険診療と自費診療を混合することはできないことになっておりますが、それが問題となることがありますので、ひとつ例を挙げたいと思います。また筋腫の手術の話になりますが、例えば筋腫核出術の際に頻用するバソプレシンという薬剤があります。基本的には抗利尿ホルモンとして、尿崩症の治療など…
不妊治療の保険適応② 混合診療について
前回、皆保険制度の問題点についてお話させていただきました。今回はその続きとなります。前回は、施設や医師により、医療レベルが一定でないことを問題としてあげさせて頂きましたが、今回は、その逆に医療費の計算のもととなる保険点数が、病名と手技により一定であることを問題として挙げさせていただきたいと思います。 わかりやすいものとして、子宮筋腫核出術を例にお話したいと思いますが、妊娠を考えている患者さんにとっ…