院長
エフォート!エフォート!NEW
「エフォート」とは「努力」や「尽力」を意味しますが、今回は“ある物事に対して私たちがどれだけ労力やエネルギーを注ぐか”という視点からお話ししたいと思います。 大学時代、研究プロジェクトに関わった際、研究計画書には「誰が何パーセントの労力を割くか」という欄がありました。各メンバーの「エフォート」に応じて、論文の著者順や評価指標(インパクトファクター)の配分が変わってくるのです。この経験から私は、「エ…
動画撮影の舞台裏:経験から学んだこと
長くこの仕事をしていると、ありがたいことに時折お声がけをいただくことがあります。先日、とある製薬会社から、医療関係者向け動画の出演依頼をいただきました。その内容は、以前このブログでも触れた「子宮内膜症と不妊治療」について。担当者の方が私のブログを読み、その内容を動画で説明してほしいとのことで、ご依頼をお受けしました。 実際の撮影に向けて、台本を見ながら話すことの難しさは過去の経験から承知していまし…
お米の価格と働き方改革──支え合いの精神と経済構造のゆくえ
最近、お米の価格が上昇しています。気候変動や生産コストの増加、流通の変化など、さまざまな要因が絡み合い、日本の経済全体に影響を及ぼしています。その背景には働き方改革や公定価格の問題があり、さらに、私たち日本人の価値観の変化も関係しているのではないかと感じます。 経済構造の変化と働き方改革の影響日本では、労働環境の改善を目的とした働き方改革が進められてきました。労働時間の短縮や業務の効率化が求められ…
サクセスフルエイジング~不妊カウンセリング学会を終えて感じたこと
前回のブログでは、不妊カウンセリング学会の大会長を務めた経験についてお話ししました。その締めくくりとして、「多視点からのプレコンセプションケア」というテーマのもと、6名の演者の方々をお招きし、シンポジウムを開催しました。そこで私の心に深く刻まれたキーワードが 「サクセスフルエイジング」 でした。今回は、その言葉が持つ意味について、さらに掘り下げてお話ししたいと思います。 人生を振り返ったときに「ま…
不妊カウンセリング学会学術集会を終えて
5月18日(日)、東京・一ツ橋ホールにて「不妊カウンセリング学会学術集会」が開催されました。今年は学会長を務めることとなり、「未来を見据えるプレコンセプションケア」をテーマに掲げ、プレコンセプションケアに関連した内容を中心に議論を深めました。現地には669名の方々にご参加いただき、さらにオンデマンド配信も予定されています。また、多くのご協賛をいただき、ランチョンセミナーまで開催することができました…
生殖医学会に参加して
通常、生殖医学会(JSRM)は11月に開催されますが、今年は国際学会のIFFSとの合同開催のため、4月の開催となりました。前回から約半年、次回まで1年半が空くことになりますが、国際学会ならではの熱気に刺激を受ける貴重な機会となりました。 国内のみの学会と比較すると、やはり国際学会との合同開催では国内外から多くの参加者が集まり、例えば企業展示ブースの規模も圧倒的に異なります。今年はJSRMが70周年…
養成講座に参加して感じたこと
「養成講座」という言葉には少々堅苦しい印象を持つ方もいるかもしれませんが、今回は先日、不妊カウンセリング学会主催の不妊カウンセラー養成講座に出席した際の経験についてお話しします。この講座は年に2回開催されており、私は定期的に講師を務めるだけでなく、座長として司会も担当しています。 私が担当する内容は、ほぼ毎回同じく「不妊治療の基礎知識」に関する講義です。保険適用が開始されてから3年以上が経過しまし…