院長
「996」という働き方──ポルシェではなく、中国の労働文化の話NEW
「996」と聞いて、車好きの方ならポルシェ911シリーズのうち、水冷化された初代モデル──通称「涙目」──を思い浮かべるかもしれません。発売当初は賛否両論ありましたが、今では一定のファン層を獲得しているようです。しかし今回のテーマは車ではなく、近年中国で問題視されている「働き方」の話です。 中国IT業界に根付いた「996」「996」とは、朝9時から夜9時まで、週6日働くという勤務スタイルを指します…
いのちについて考える季節に
毎年8月になると、広島・長崎の原爆の日、御巣鷹山の事故、終戦記念日、そしてお盆と、いのちにまつわる出来事が続きます。否応なく、私たちは「いのち」について思いを巡らせることになります。私自身、職業柄いのちと向き合う日々を過ごしてきました。以前もお話ししたように、これまで多くの恩師を見送ってきた経験から、その儚さと尊さを痛感せずにはいられません。 先日、人気作品『鬼滅の刃』について話す機会がありました…
卵子凍結についての取材を受けて
私は浦安市のプロジェクトに携わったこともあり、最近、卵子凍結に関する取材の機会が増えております。先日も日経新聞からご依頼があり、取材に応じさせていただきました。記事はすでに公開されており、有料ではありますが、ご覧いただける方はぜひ読んでみてください。記者の方は、非常に丁寧かつ時間をかけた取材をされており、私も様々な角度からお話させていただきました。ブログでは、その内容を詳しくご紹介することは控え、…
命を継ぐということ──『鬼滅の刃』の感想
先日、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』を観に行ってきました。公開からわずか10日間で興行収入128億円、観客動員910万人を突破した記録的ヒット作。休日だったこともあり、劇場は満席。世代を超えて多くの人々がこの作品に心を寄せているのだと、改めて実感しました。スクリーンに映し出されたのは、命を削って戦う人間たちと、死を拒む鬼との壮絶な戦い。ネタバレになるかもしれませんが、猗窩座は愛…
慰労会の開催に寄せて
先日、医療法人桐杏会・メディカルパークの理事長である田中先生に、メディカルパークみなとみらいのスタッフの慰労会を開催していただきました。田中先生のブログでもご紹介されていますが、感謝の気持ちを込めて、こちらでもご報告させていただきます。 開院から7年、さまざまな出来事がありましたが、患者さんはもちろん、スタッフの皆さんに支えられて、ここまで継続してくることができました。今回の慰労会は、田中先生が当…
取材の「対価」について、ふと立ち止まって考えてみたこと
大学時代から現在に至るまで、新聞やテレビなどのマスメディアから取材依頼をいただく機会が時折あります。それはクリニックの広報活動の一環としての「案件」ではなく、記者の方が専門的な記事を執筆するために、取材対象として協力を求めてくださる、いわゆる本来の意味での「取材」です。 これまで私は、取材が無償であることに特段の疑問を持たず、自然に受け入れてきました。テレビ出演では出演料をいただくこともありますが…
若者よ、「票」で未来を奪還しよう──私たちはいつまで傍観者でいるのでしょうか
気がつけば、この国は「高齢者のための国」になってしまいました。 そして私たち若い世代──いや、かつて若者であった中高年層も含めて、その構造を黙認する「観客」として生きているのかもしれません。選挙のたびに繰り返されるのは、高齢者層への過剰な配慮と、若年層の沈黙という無言の帰結です。なぜ、こうした状況になるのでしょうか。答えは明確です。投票に行くか行かないか──たったそれだけで、政治の方向は変わります…
ホワイト社会について考える
先日、YouTubeを何気なく観ていた際、岡田斗司夫さんが提唱する「ホワイト社会」という概念に出会いました。非常に示唆に富んだ内容で、私なりに理解したことをここで共有したいと思います。 「ホワイト社会」とは、社会全体がより清潔で、健康的で、道徳的であることを強く求める風潮を指すそうです。言わば、“ブラック”の対義語。最近の芸能界やテレビ局の不祥事に対する厳しい目線も、まさにこのホワイト社会化の一端…
エフォート!エフォート!
「エフォート」とは「努力」や「尽力」を意味しますが、今回は“ある物事に対して私たちがどれだけ労力やエネルギーを注ぐか”という視点からお話ししたいと思います。 大学時代、研究プロジェクトに関わった際、研究計画書には「誰が何パーセントの労力を割くか」という欄がありました。各メンバーの「エフォート」に応じて、論文の著者順や評価指標(インパクトファクター)の配分が変わってくるのです。この経験から私は、「エ…
動画撮影の舞台裏:経験から学んだこと
長くこの仕事をしていると、ありがたいことに時折お声がけをいただくことがあります。先日、とある製薬会社から、医療関係者向け動画の出演依頼をいただきました。その内容は、以前このブログでも触れた「子宮内膜症と不妊治療」について。担当者の方が私のブログを読み、その内容を動画で説明してほしいとのことで、ご依頼をお受けしました。 実際の撮影に向けて、台本を見ながら話すことの難しさは過去の経験から承知していまし…