月経痛VRイベント体験報告
今回は4月に横浜のパシフィコノースで開催されました、日本産科婦人科学会で体験した月経痛イベントについてお話させていただきます。
日本産科婦人科学会は非常に大きな規模で開催されており、生殖医療以外の分野についても学ぶことができて、とても勉強になりました。学会ではそれぞれの病院やクリニックで検討したことを発表する講演ブースとは別に、企業が商品を学会参加者にアピールする企業ブースがあります。その企業ブースでバイエル薬品が「月経痛VRイベント」を開催されており、私も参加させていただきました。
このイベントでは、自分にとって平気なことを辛く感じる人がいること、また自分が辛いことが平気な人もいる、ということを知ることが目的だそうです。個人差の大きい月経痛の辛さや不快さを男女ともに共有し、月経困難症の患者様が抱える心身の悩みについても知ることができ、貴重な経験になりました。
イベントブースは大変人気で整理券が配られるほどでした。スタッフの方から注意事項を説明され、腹部に筋電気刺激を与えることによる痛みについての同意書にサインをしました。その後使い捨ての電極パッドをもらい、下腹部に貼り付けます。腹部の電極パッドに電流を流して腹筋を収縮させ、子宮の収縮によっておこる生理痛を再現しているそうです。痛みの質のリアリティに課題は残るが月経痛の辛さは再現できる、と評価されています。
痛みの強さは弱・中・強と3段階あり、徐々に強くしてもらいましたが、個人的には中と強の間が普段の月経痛の痛みに近く、強はうずくまってしまうくらいの痛みでした。一緒に体験した当院の培養士は、強が普段通りの痛みだと言っていました。開発チームの女性の8割が「普段通りの痛み」であるとしてこの強さに設定したそうです。経済産業省の調査では女性従業員の半数が「生理痛や、それに伴う症状などで仕事中に困った経験がある」と回答しています。
体験後にパネルシールを貼って以下の質問に回答しました。
Q1.体験で感じた腹部の辛さの度合いを教えて下さい。
Q2.腹痛や他の不快症状が数日間続く月経、どのくらいの頻度なら耐えられますか?
Q3.病気やケガがないときに発揮できる仕事の出来を100%として体験した腹痛や月経随伴症状がある状態では何パーセントになるでしょうか?
Q4.月経による痛みや不快症状への対策として、お薬の力を借りて「お休みする」という選択肢を、家族や友人に勧めたいと思いますか?
4問中、特に1問目は人によってかなり差が出ていて興味深かったです。
今回の月経痛体験に関しまして、機会があれば皆様に体験してもらえたらと考えております。