ブログ復活に際しての初めの投稿
不妊専門クリニックのブログですので、再開第1回では、妊娠を目指す、という意味で、「性欲」について考えてみたいと思います。
人間が生きていくうえで必要ものとして、食欲や睡眠欲、排泄欲、呼吸、性欲の生理的欲求があると言われております。しかしながら、この中で性欲については、生命維持には不可欠ではなく、種の保存のために必要なものとなります。すなわち、「個」としての存続のみを考えるのであれば、必ずしも子供は必要ないことになると思われます。特に平和な現代社会のように、治安が良く、生命が脅かされるリスクが著しく低い我が国のような環境においては、上記生理的欲求は基本的に満たされており、有名なマズローの欲求5段階説の中で上位に位置する社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求を求めるようになるそうです。それ故、SNSで「映え」と言われるような、承認欲求を追及してしまうことも起こってしまうのかもしれません。いずれにせよ、日本においては、社会におけるその方、ご自身である「個」が重要になるのだと思います。
さて、「性欲」に話を戻しますが、そのような現代社会において、必ずしも必要のない欲求と考えた場合、昔に比べ子供を持たない選択をされる方々も多くなっているのかもしれません。さらに言えば、本能的に性欲に駆られる、ということは少なくなっているとも考えられますので、計画的に妊娠・出産を予定したいと思う方々も増えていると思われます。
ただし、妊孕性が年齢によって低下してしまうことも事実であり、自然妊娠を目指すのであれば、20代までに妊娠を考える方が医学的には良いとは思われますが、現代社会においては難しいことも多いと思われます。そのような環境だからこそ、、我々不妊専門クリニックがお役に立てることがあると考えております。今や10人に1人のお子さんが体外受精で生まれておりますし、不妊治療は決して珍しいものではなく、保険診療も相まって、一般的なものになっていると思われます。さらに、未婚の方であれば、30代前半までに計画的に卵子を凍結しておくことも選択肢になってきております。
何より「性欲」は本能的なものです。副院長先生が良くお話されるのですが何よりストレスが大きい状態では妊娠も難しいかもしれません。当院では不妊カウンセラーも在籍しておりますし、多角的にサポートさせていただくことも可能です。
繰り返しになりますが、いまや不妊治療は特別なものではありません。まずはご夫婦でご相談にいらしてみてはいかがでしょうか。