【設備技術紹介】移植カテーテルのお話

今回は、当院で胚移植の際に使用する器具について書いていきたいと思います。

 以前にもブログで紹介しましたが、移植を行う際には、最初に外筒と呼ばれる医療用ナイロン製の筒を挿入します。エコーで子宮口を確認しながら子宮頸管~子宮内へと挿入し、カテーテルが入る道を確保するのです。

  

この外筒ですが、子宮の形に合わせた優しい作りとなっており、子宮口の位置や子宮頸管の形状の違いにより角度の違う3種類の外筒を用意してあります。そのため様々な形状にも対応が可能なよう準備をしておりますのでご安心下さい。

 次に受精卵をカテーテル内部に保持し、この外筒内にカテーテルを入れていきます。エコーで子宮内までカテーテルが届いたのが確認できたら受精卵を戻すという流れになります。

 このカテーテルは、外径は1.0mmの生体適合がとれた医療用シリコン素材のカテーテルを使用しております。生体適合とは、材料が生体との接触で及ぼす影響のことを言います。

 また世界で1番細く、シリコンという柔らかい素材を使用することで、子宮に刺激を与えず、自然な状態で胚移植を行うことが出来ます。子宮の刺激によっては子宮が収縮し、妊娠率が下がるという報告があるため、最も慎重になる部分でもあります。

   

 簡単ではございましたが、移植で使用する外筒、カテーテルについての説明となりました。このように器具1つをとっても、子宮や胚に与える影響を最小限に止め、着床しやすい作りが施されております。

このような情報の発信によって、皆様に少しでも安心して胚移植を受けられる環境をご提供できればと思いますので、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。