【基礎内容】移植について
移植について
緊急事態宣言が解除され、移植を行う方が増えてきました。今回は当院での移植についてご説明いたします。
まず初めに移植する胚のグレードからお話させていただきます。当院では胚盤胞移植が第一選択となるケースが多くなっております。胚盤胞のグレード(評価)については下の図を参照ください。
当院では、胚のグレードだけでなく、KIDscoreも使い移植する胚盤胞を選定しています。
移植する場合は、先生が胚のグレードとKIDscoreについて説明し、患者様と一緒に相談し、移植する胚を選択しています。
移植胚数は、基本は1個移植です。これは、日本産科婦人科学会が2008年に「移植する胚は原則として単一とする。ただし、35歳以上、または2回以上続けて妊娠不成立であった場合は、2個胚移植を許容する」と会告し、私たちはこれに沿っているためです。
移植の流れ
次に胚移植についてと当日の流れを説明します。胚移植とは、受精卵を子宮腔内に適切な場所に注入する操作のことです。
胚移植には、採卵した周期に行う新鮮胚移植と採卵し受精した胚を凍結させ、次回以降の周期に合わせて凍結胚を融解して移植する凍結融解胚移植があります。当院では主に凍結融解胚移植を行っています。
凍結融解胚移植には、排卵後に胚移植をする自然周期とエストロゲン・プロゲステロンなどを投与するホルモン補充周期の移植があります。
- 先生が、膣を生理食塩水で洗浄します。
- 経腟超音波を使いながらカテーテル外筒を子宮口に挿入します。
(経腹超音波よりも子宮が確認しやすい方法です) - 培養士がカテーテルと呼ばれる細い管で胚を吸います。
- カテーテルをカテーテル外筒の中を通し、子宮の最深部から約1㎝手前で胚を排出させます。
- カテーテルに胚の残存が無いことを確認し終了となります。
- 移植後はリカバリー室にて30分の安静時間を設けています。
~移植後~
黄体補充開始日を2週0日とし、3週5日~4週間または患者様の都合がよい日にhCG(妊娠成立時に胚盤胞から作られるホルモン)を測定しています。さらに、5週前後で胎嚢(赤ちゃんが入っている袋)を確認、6週前後で心拍を確認しています。
最後に
私達胚培養士は、「一球入魂」の姿勢で患者様の大切な胚をお戻しさせていただいております。何かございましたら気軽にお尋ねください。
胚移植の最新の成績を更新しましたのでHPの高度不妊治療ページも合わせて参照ください。