【お知らせ】第69回日本生殖医学会学術講演会演題発表
この度、当院の培養士2名が11/14-15にポートメッセ名古屋で開催された、第69回日本生殖医学会学術講演会・総会でポスター発表を行いました。今回は、現地開催+一部発表を後日オンデマンド配信という形で開催されました。
生殖医学会は私たちの分野で大きな学会の一つであり、数多くの演題が発表され、多くの来場者で賑わっていました。
それでは、当院から発表した2演題について簡単に紹介したいと思います。
1つ目の演題が「当院における社会的卵子凍結患者の予後調査と有用性の検討」です。内容としては、実際に卵子凍結をした方たちが、どのくらい凍結卵子を使用したか、卵子を融解したあとの成績はどうなのか、妊娠率はどのくらいかなどを追跡調査し、発表しました。
最近メディアなどでも取り上げられ、よく耳にするようになった「卵子凍結」ですが、当院では2016年から卵子凍結を行っており、これまでに210人の方が凍結をしておられます。そのうち、凍結した卵子を用いて不妊治療を行った人が32人となっており、未だ多くの方が凍結検体を継続保管していることが分かりました。また、保管継続中の方の中にも自然妊娠した方、凍結卵子を使わずに不妊治療を行った方など様々で、必ず凍結卵子を使わなければならないわけではありません。将来の妊娠に向けた【選択肢のひとつ】として考えていただければと思います。
2つ目が「抗酸化物質含有培養液は高齢IVF症例の良好胚盤胞率を向上させる」です。体外受精(IVF)では、卵子と精子は培養液のはいった培養皿のなかで受精をさせます。この授精時と精子調製時に、「抗酸化物質」が含まれている培養液を使用すると、高齢症例のIVFにおいて、良好胚盤胞率が向上したという内容です。
近年、各社から様々な培養液が販売されていますが、少しでも培養成績が向上するように、研究・検討を続けていきたいと思います。
詳しい成績や卵子凍結について何か質問等がございましたら、お気軽にスタッフにお尋ねください。