【お知らせ】学会発表報告
学会発表が無事に終わりました(web聴講は~23日まで)。本来であれば福岡県での開催という事でしたが、今回は完全なオンラインでの学術集会という事になりました。粛々と準備をしておりまして《前回のブログ》ファイル変換やアップロードなど、不慣れな作業もありましたが何とか進める事ができまして、僭越ながら演題発表させていただきました。
今回は当院で行う2段階採卵(DuoStim)の有用性について、培養士目線で評価させていただき報告させていただきました。一般的には、お薬を使った採卵周期では月に1回の採卵を行いますが、この方法では月に採卵を2回行っていきます。何となく都合が良さそうにも聞こえますが、卵の質は大丈夫?という問いかけに対する報告です。
結語として「今回の検討よりDuoStim周期によって得られる獲得卵子について、汎用される従来の排卵誘発法による獲得卵子と比べ、その成熟率や質について差がないことが分かった。また卵胞期由来及び黄体期由来の獲得卵子についても、その後の培養成績に差はなかった。妊孕性温存を含め時間的な問題で可及的速やかに採卵を行わなくてはならない症例において、獲得卵子が増える本法は有用であると考えられる。」とさせていただきました。
主には卵巣機能の問題など、時間が無い方に対する刺激方法ですが、きちんとお薬を使ってコントロールすれば得られる卵子の質は統計学的には変わらないだろう…という事です。
また、今回の学会発表の中には同じように二段階採卵について報告している施設様もあり、非常に勉強になりました。
全ての方に適応される採卵法ではありませんが、ご希望のある方は診察時に医師の方へご相談ください。また、実際に通院される患者様におきましては、診察の中で二段階採卵が決定した場合、卵の質的な問題についてもご安心いただければ、今回の発表をした事も報われるかなと感じています。私たちもデータを振り返る事ができ、今後の治療に引き続き活かしていきたいと思います。