「未来の妊娠のために」妊娠予後に関する調査ご協力のお願い

毎年11月になると、昨年当院で治療を行い妊娠された患者様の妊娠予後がわかるようになります。

妊娠予後

当院では妊婦検診や産科診療を行っていないため、妊娠した後の経過についてを指します。

その中でも体外受精や顕微授精といった生殖補助医療(ART)の妊娠予後は日本産科婦人科学会への報告義務があり、卒業される患者様にも報告をお願いしています。

今回は妊娠予後調査の重要性についてのブログになります。

ART実施登録施設とは?

当院は日本産婦人科学会の定めるART実施施設に登録されています。

ART実施
登録施設

生殖補助医療(ART)を実施するためには日本産婦人科学会への届け出が必要です。承認には、施設設備、実施要員が整っているなどの諸条件が設定されており、現在、全国で約600の施設が登録されています。

以下のサイトより全国の登録施設が閲覧できます。↓

https://jsog.members-web.com/hp/search_facility

ART実施登録施設には毎年実施した体外受精に関するデータを日本産婦人科学会へ報告する義務があります。

妊娠予後調査

当院で体外受精を受け、妊娠・卒業されました患者様につきましては、予後調査へのご協力をお願いしております。

当院では産科診療を行っていないため、妊娠したあと出産までの予後については

  1. 紹介先の診療施設から報告していただく
  2. 当院を卒業した患者様ご自身に報告していただく

のどちらかの方法によって報告をいただいています。

紹介先の診療施設から報告書をいただくこともが多いのですが、分娩施設から報告書が当院に届かない場合もあります。

  • 紹介先の診療施設からさらに紹介された場合(妊婦検診施設と分娩施設がちがう場合:里帰り出産や妊娠トラブルにより大学病院を紹介されたりなど)
  • 紹介先の診療施設とは別の施設で分娩となった場合(外出先で急にお産になってしまった、予定していた紹介先の診療施設を受診しなかったなど)
  • 紹介先の診療施設から何らかの理由で報告されない場合

などが挙げられます。

しかしご自身の妊娠について一番よく存じ上げているのは、なにより患者様ご自身ですのでご報告をお願いしています。

当院ではご卒業時に妊娠予後調査のお願いとしてQRコードをお渡ししております。QRコードを読み取り、フォームよりご報告をお願いいたします。

また、@Linkから予後調査のメールを送信させていただく場合がありますので、ご協力お願いいたします。

2024年に当院を卒業された患者さまの妊娠予後について、先日報告を終え学会から認定証が届きました。

妊娠予後についてアンケートにご回答くださった患者様、紹介先の医療機関の皆様、ご協力いただき誠にありがとうございました。

全国のART登録施設からの情報は日本産婦人科学会で集計され、毎年ARTデータブックとしての本産婦人科学会のHPにて公表されています。

最新は2023年版になります。以下一部引用したものです。↓

引用:https://www.jsog.or.jp/medical/641/ 日本産科婦人科学会ARTデータブック2023

「未来の妊娠のために」妊娠予後に関する調査ご協力のお願いいたします

製薬会社のフェリングファーマさんが不妊治療患者様向けに行ったアンケートによると、患者様が治療施設を選ぶ際に参考にしているしていることの上位に「不妊治療施設の治療成績」が挙げられています。

引用:https://infertility.ferring.co.jp/survey/questionnaire.html 不妊Collge 不妊治療に関する意識調査

また、施設の治療成績に関して最も重要視している事柄は「出生率」であるとの報告もあります。

これらから治療を考えている方や治療中の患者様は、出産率をもっとも重要視していることが見て取れます。

当院での治療を終え卒業された方の妊娠予後は現在治療中の方、これから体外受精を検討されている方にも非常に参考になるデータとなっております。

今後とも、出産予後調査へのご協力よろしくお願いいたします。