動画撮影の舞台裏:経験から学んだこと

長くこの仕事をしていると、ありがたいことに時折お声がけをいただくことがあります。先日、とある製薬会社から、医療関係者向け動画の出演依頼をいただきました。その内容は、以前このブログでも触れた「子宮内膜症と不妊治療」について。担当者の方が私のブログを読み、その内容を動画で説明してほしいとのことで、ご依頼をお受けしました。

実際の撮影に向けて、台本を見ながら話すことの難しさは過去の経験から承知していました。だからこそ、自分が書いたブログの内容に沿って話せば、より自然に伝えられるだろうと高を括っていたのです。台本や説明用のフリップは先方が準備してくださったので、事前に確認したつもりでしたが…。

撮影の本番

撮影は、午前外来終了後、午後診療が始まる前の時間帯に行われました。場所はクリニックの入る日石横浜ビルの広い会議室。撮影スタッフの皆さんが準備を整え、本番がスタートしました。

インタビュアーの方の質問に答える形で話が進み、思ったよりもスムーズに言葉が出てきました。順調に収録が進み、大きなNGもなく予定時間より早く撮影終了。インタビュアーの方やスタッフの皆さんから「素晴らしかったです!」と絶賛の声をいただき、社交辞令とはいえ、ほっとひと安心。豚もおだてりゃ木に登る、とはまさにこのことですね。

あとは編集を待つのみ。午後の診療を開始し、撮影を終えた安堵感に浸っていました。

思いがけない気づき

ところが、夜になり撮影を振り返っていたときに、違和感が湧いてきたのです。スタッフの方から届いていたメールに返信しようとしたその瞬間、ある「とても重要なフレーズ」を一言も言っていなかったことに気づきました。しかし、時すでに遅し。追加撮影は現実的ではなく、関係者にご迷惑をかけてしまうことになります。

とりあえず、そのことをスタッフの方にメールでお伝えすると、翌日「編集とナレーションで補足できます」との返信が。なんとかリカバーできることになり、一安心しました。

それでも、今回の経験を通じて改めて学んだことがあります。それは、 「自分の言葉で話すことの大切さ」 です。どんなに準備を整えても、台本や他者が用意した資料に頼りすぎると、本当に伝えたい大事なポイントが抜け落ちることがある。やはり、自分の考えを自分の言葉で語ることが、最も自然で確実なのだと痛感しました。

機会があれば、ですが、次こそは、もう少し自分のスタイルを大切にしながら話せるよう、工夫して臨みたいと思います。