【お知らせ】不妊鍼灸勉強会-後編

 先日「不妊鍼灸と不妊治療の親和性」というテーマで鍼灸院の先生と意見交換させていただきました。今回はその後編になります。(前編からお読みいただければ幸いです)

 前回は”筋性防御”というキーワードを中心に、不妊鍼灸の考え方についてお話しました。今回は鍼灸師ではない人間から不妊鍼灸のデータ考察についてお話したいと思います。

  

 先ずは1つデータをお示しします。こちらは数年前になりますが、都内の鍼灸師・医療従事者向けに講演させていただいた時に使ったデータを使用しております。

 体外受精を検討される方々が、どれくらい鍼灸(体質改善)に興味があるかアンケートを取らせていただきました。実際は半分の方が不妊鍼灸に興味を持つ、逆に言うと約2人に1人は興味を持っていない、効果に懐疑的という事が分かりました。

 さらに当時のスライドから2つデータをお示しします。

 1つめのデータは海外の文献を入手する有名なサイトで、「不妊」または「不妊 鍼灸」と検索した場合のHit数を比べたものになります。

 不妊と鍼灸(体質改善)は非常に親和性が高いと言われている一方で、実際のエビデンスの数はまだまだ十分では無いと考えられているようです。

 一方、2つ目のデータで示す通り、不妊に対して鍼灸が一定の効果を示している事も事実になります。

  

 鍼灸院の先生の意見としては、「西洋医学でカバーできないものを東洋医学でカバーする」という明確なコンセプトを挙げられておりました。不妊に対する東洋医学や鍼灸のエビデンス(Hit数)は今後蓄積していくものと考えられます。youtube始め、多くの情報が溢れ過ぎている現在、正しく信頼できる情報を集める事が求められると感じます。

 今回の勉強会を通じ、不妊に対する東洋医学の効果の奥深さを改めて感じ、また、科学的に整理する必要があると感じました。

  

 当日は佐藤先生より次のようなメッセージを頂戴しましたのでご紹介して終わりとしたいと思います。

「何より相談できる人を1人でも多く見つけて欲しいと思います。不妊治療に関しては様々な選択が求められますが、専門の知識を持った人と気軽に相談できる環境作りが大切です。不妊鍼灸師はその様な立場で日々診療に向かっています。何かあればお気軽にご相談ください。」

  

*今回は鶴見区で診療されている「羅針堂鍼灸整体院」の佐藤先生とお話させていただきました。3年程前になりますが横浜で一般の方向けに「妊活セミナー」という事で医療講演をさせていただく機会がありましたが、佐藤先生がそこに参加されたことをご縁にお付き合いをさせていただいております。この度は貴重な機会・監修をいただき有難うございました。先生・スタッフの皆様への謝辞とさせていただきます。