検査値のとらえ方~感度・特異度~

本ブログにも載せましたが、少し前に日本不妊カウンセリング学会で講義を行いました。その内容について、一部ご紹介したいと思います。ちょうど新型コロナウイルス感染症の検査について話題となっておりましたので、直接は関係ないのですが、検査とはどういうものなのか?についてお話ししたいと思います。 統計学を難しくとらえてしまう方も多いためか、我々は例えば採血データを見て、正常なのか正常でないのかのみに注目してし…

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【お知らせ】子宮内フローラ検査について

 膣や子宮には菌が共生している!?という考えが一般化しつつあります。一昔前には子宮内は無菌であると言われておりましたが、2015年に米国の研究者によってこの考えが異なっているという事が分かりました。  菌というと、何となくばい菌のイメージが出てくるかもしれません。しかし宿主となる私たち人間と共生する常在菌と呼ばれるものは、感染に対する防御機構の一翼を担っています。  その代表的な菌がラクトバチルス…

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PCトラブル

皆さんのパソコンはWindowsでしょうか、それともMacでしょうか?その昔、デザイナーやミュージシャンなどのクリエイターや医師はMacintoshを使うと思われていた時代がありました。私も詳しくはないのですが、当時高額であったMacintoshはそれ自体、ファッションでもあったように記憶しております。 私は性格的にも天邪鬼であったためか、医局内でも早くからWindows PCを使い始めた者の一人…

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【設備技術紹介】インキュベーターのお話

 今回は当院で使用しているインキュベーターについてお話します。   インキュベーターとは、温度を一定に保つ機能を有する装置のことをいい、卵子、精子、受精卵などの配偶子や接合子を培養する際に使用しています。  本来卵子や受精卵は生体内で発育するため、体外の異なる環境下では発育に限界があります。温度や酸素、二酸化炭素などのガス環境は体内と体外で大きく異なり、体外のガス環境では胚の成長に影響を及ぼすこと…

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【お知らせ】凍結液アップグレード

 2月よりメディカルパーク横浜院での凍結液がアップグレードされます。  アップグレードされる凍結液については、世界最高クラスの改良組成を行っておりその安全性・効果は凍結史上最良の実績を得ているそうです。  本来、卵を凍結融解すれば少なからずダメージが加わる事が自然な考えかと思います。即ち高い生存率であることは卵へのストレスも僅かで済むという事を示唆していると考えられます。  開発者である桑山博士は…

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【お知らせ】学会参加報告

 先日、お時間をいただき学会に参加して参りました。日本臨床エンブリオロジスト学会と呼ばれる学会で、胚培養士(エンブリオロジスト)によるエンブリオロジストのため学会となっています。専門職である我々の技術をブラッシュアップすべく、御高名な先生方によって運営されており非常に多くの価値ある情報を持ち帰る事ができました。    1/13の体外受精説明会では参加者の方に所感をお伝えしましたが、改めてこちらで報…

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胚移植

体外受精の手技の中で、最も重要なもののひとつが胚移植だと思います。文字通り、子宮内に体外受精で得られた胚を移植する手技であり、ただ単に胚を子宮に入れるだけではありますが、繊細な技術が要求されるものです。良好胚が簡単には得られない患者さんも多く、次の可能性に賭けることが困難な方もいらっしゃるわけですから、我々も神経を使わねばなりません。まさに真剣勝負、です。 ガイドラインや教科書に書かれていることは…

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【基礎内容】培養液について②

昨年12/21に載せました「培養液について①」の続きです。 前回は実際に使用している培養液についてご紹介しました。 今回は培養液とセットで使用するミネラルオイルと移植用の培養液をご紹介します。 少量の培養液(ドロップ)は、外気に触れることで劣化を起こしてしまいます。そこで登場するのがミネラルオイルです。 利点として培養液のpH変動を防止し、また培養液からの水分の蒸発を最小限に抑えること、配偶子や胚…

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大学病院と医師の働き方改革

私はメディカルパーク横浜の院長に就任する前は大学病院に勤務しておりました。最後のポジションは先任准教授(旧助教授)であり、次のステップとして教授になる可能性もありました。メディカルパークに異動する際大学には、私の本当にやりたいことのみに集中したいという我儘を聞き入れていただいたと考えておりますので、大学には感謝こそあれ、ネガティブな感情はありません。 しかしながら、昨今の報道で大学病院のあり方が今…

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明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

2020年、本年もよろしくお願いいたします。 この前のブログは年末に年明けに向けてのものでしたが、今回はそれを受ける形で、私自身の今年の抱負と、クリニックの展望について触れたいと思います。 初めに、当院の今年の目標について申し上げます。 治療成績向上のための技術、機器の導入 何より昨年の反省点を改善していくことは必須だと考えており、プロトコルや手技の見直しを行ってまいります。さらに、新しい培養液や…

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