【お知らせ】新年度を迎えて
新年度を迎え、入学式・入社式等の門出を祝う季節になりましたが、 新型コロナウィルスの影響により多くの方が自粛要請のもと、窮屈な生活を余儀なくされる状況になっています。 コロナについての感染力や潜在的リスクについては不明となりますが、医療行為における感染管理については国立感染症研究所より次のような報告がなされています。 なお、COVID-19 の疑いに関わらず、原則として以下は常に行うべ…
新型コロナウイルスについて【2】
前回のブログの続編として記載いたします。 本日(4月1日)、日本生殖医学会から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する声明が出されました。この感染症の感染拡大を受け、前回のブログでもお話ししましたように、米国、ヨーロッパに続いて日本からも声明が出されたことになります。基本的には妊婦さんへのリスクが不明である以上、妊娠後の感染の可能性が危惧されるため、不妊治療の延期を選択肢として提示す…
新型コロナウイルスについて【1】
新型コロナウイルス(CIVID-19)の感染拡大が止まりません。米国、ヨーロッパでも感染者数や死者も急増しており、米国などをはじめ、国家非常事態が宣言され、外出禁止令が出されている地域も増えております。日本においても、東京でも週末の外出自粛が要請されており、ご自宅で過ごされている方も多いのではないでしょうか。 生殖医療においては、米国のASRM(米国生殖医学会)は国家非常事態宣言を受け、一時的に生…
【基礎内容】IVFについて
体外受精(IVF)とは、女性の卵巣内から取り出した卵子を体外で受精させる治療のことです。1978年にイギリスではじめて挙児が報告されました。 日本産科婦人科学会の発表によると、IVFによって国内で2017年に5万6617人の子どもが生まれたと発表されました。これは、厚生労働省の統計による17年の総出生数は94万1000人を参考とすると、16人に1人が体外受精で生まれた計算になります。 IVFを…
検査値のとらえ方~感度・特異度~
本ブログにも載せましたが、少し前に日本不妊カウンセリング学会で講義を行いました。その内容について、一部ご紹介したいと思います。ちょうど新型コロナウイルス感染症の検査について話題となっておりましたので、直接は関係ないのですが、検査とはどういうものなのか?についてお話ししたいと思います。 統計学を難しくとらえてしまう方も多いためか、我々は例えば採血データを見て、正常なのか正常でないのかのみに注目してし…
【お知らせ】子宮内フローラ検査について
膣や子宮には菌が共生している!?という考えが一般化しつつあります。一昔前には子宮内は無菌であると言われておりましたが、2015年に米国の研究者によってこの考えが異なっているという事が分かりました。 菌というと、何となくばい菌のイメージが出てくるかもしれません。しかし宿主となる私たち人間と共生する常在菌と呼ばれるものは、感染に対する防御機構の一翼を担っています。 その代表的な菌がラクトバチルス…
【設備技術紹介】インキュベーターのお話
今回は当院で使用しているインキュベーターについてお話します。 インキュベーターとは、温度を一定に保つ機能を有する装置のことをいい、卵子、精子、受精卵などの配偶子や接合子を培養する際に使用しています。 本来卵子や受精卵は生体内で発育するため、体外の異なる環境下では発育に限界があります。温度や酸素、二酸化炭素などのガス環境は体内と体外で大きく異なり、体外のガス環境では胚の成長に影響を及ぼすこと…