海外事情
医療制度はそれぞれですので、国によって受けられる医療が違います。体外受精まで保険適応となる国もあれば、我が国の様に自費診療となる国も多いようです。
我が国における国民皆保険制度は、1958年から始まった、世界に誇る素晴らしいシステムです。すべての国民は、保険証一枚で基本的に3割の負担でどこでも治療が受けられます。
例えば、医療費が高いと言われている米国では、その患者さんが加入している民間保険の種類によって支払うことが出来る医療費が異なるため、救急搬送の場合でも、まずは保険の種類が確認され、それによって搬送先の病院が選択されるのです。もしかしたらそのようなシーンをテレビなどでご覧になったことがあるかもしれません。加入している保険により、受けられる治療にも差があるのです。お金をかければかけるほど、より良い治療が受けられるということでもありますが、一方で、どの病院でどのような医師が診察・治療を行っても一律の値段という我が国の皆保険制度、ちょっと複雑ですね。
さて、先日、我が国の医療システムについてカザフスタンの国営テレビの方から取材をお受けしました。(YouTubeで動画が見られます "https://youtu.be/tbmEx177IC8" )お薬の処方や、そのための処方箋など、いくつか質問をお受けしました。また、日本における不妊治療件数は世界でもトップレベルであると言われているため、我が国での治療を希望する方
々もいらっしゃるとのことでした。米国で治療を受ける場合にくらべ、我が国の不妊治療費は自費診療であっても決して高くはないのだそうです。ところ変われば医療費についての意識も違うのです。
我が国では保険適応ではない不妊治療代ですが、所得など患者さんの背景によっては、助成金の対象になる場合もあります。当院の治療費ですが、採卵や顕微授精などについては、個数に応じて変動するようになっております。数が多ければその分妊娠の確率も上がると考えれば、それに応じて値段も変わるという考え方でもあるのです。